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『「ごく近い将来アンタは俺に平伏する──どうか戦ってくれとッッ」 (本編より)』
格闘漫画界のトップランナーである板垣恵介氏の代表作品であり
押しも押されぬチャンピオンの看板漫画・『範馬刃牙』シリーズの通算83巻目(外伝含む)。
第16話から始まったアリゾナ州立刑務所、通称ブラックペンタゴン編の、起承転結の『転』にあたる巻。
ボクシングの元ヘビー級チャンピオンであるマイケルを、神業的なコンビネーションで屠ったマウス三兄弟。
それを一瞬で倒したゲバルの渾身の攻撃を、最後まで受けきった挙句たった一発で勝負をつけた怪物オリバ。
刃牙のオリバに対する拳の挑戦状に始まり、刑務所内の人間関係を描写し、
紆余曲折を経てオリバの圧倒的な強さと知られざる素顔を描いてきた本シリーズだが、
この巻では再び刃牙対オリバという構図に立ち返り、いよいよ二人の対決に向けて話が大きく動き始める事となる。
本巻は色々と見所が多く、まずは刑務所物にとってお約束でありクライマックスともいえる『脱獄』が描かれる。
それも何の準備もせず単独での、全くの丸腰で堂々と正面ゲートを通っての、不可能ともいえる脱獄である。
それを現実のものとしているのが主人公・範馬刃牙の圧倒的な身体能力であり、
銃に包囲された状況からでも舌先三寸のハッタリで切り抜ける頭脳と胆力である。
この一連の活劇だけで作者は数巻もの間戦闘描写すら無かった主人公の強さに説得力を持たせ、
いまひとつ影の薄かった彼をヒーローの位置に立ち戻らせ、オリバとの戦いを否が応にも期待させる展開となっている。
更には刃牙は刑務所内の風評を利用した上で、様々な手で挑発を繰り返し、冷静なオリバを逆上させようとすると共に、
格下の存在として挑むのではなく、同等の存在としてオリバが自分に挑戦するように仕向けている。
本丸を攻める前に外堀を埋める作業であり、受刑者同士の喧嘩は看守に処罰させるが、
アンチェイン自らの戦いならば看守に制止されることもないという計算が働いているのだろう。
刃牙の意外な策士っぷりを垣間見られる巻であり、振り返ってみれば以前彼がオリバとゲバルにダブルK.O.された事があったが、
実はあれも計略で、敢えて自分が身を引き、二人を戦わせてその手の内を知るための演技だったのやも知れない。